障がい者が社会参加し自立できるように、障がい者の就労を支援するサービスもいろいろと出てきています。そのサービスの中でも就労移行支援と就労継続支援があります。両者がどのように異なるのか、よくわからないという人もいるでしょう。
就労移行支援とは就職するために必要になるスキルを身に着けることが目的の事業所です。このため、最終的には一般企業に就職することを希望する方が対象です。
一方就労継続支援とは、就労の機会そのものを与えることが目的になります。このため、通常の企業や事業所で勤務するのが困難な人を対象にした福祉サービスになります。
就労継続支援の中には、さらにA型とB型という2種類に分類できます。両者の違いは雇用契約の有無にあります。
雇用契約を交わして就業してもらうのがA型事業所です。一方B型とは雇用契約を結ぶことなく、勤労の機会を与える施設になります。雇用契約はかわしませんが、B型で勤務したら工賃をもらうことは可能です。
就労移行支援と就労継続支援のB型事業所とでは、条件的に同じ部分もあれば異なる部分もあります。まず雇用契約ですが、両方とも事業所とはかわしません。
しかし契約はなくてもB型の場合、工賃が発生します。しかし就労移行支援の場合、賃金や工賃は原則ありません。ただし一部事業所では賃金を支払っているところも見られます。
異なる点として、まず年齢制限の有無があります。就労移行支援は65歳未満の方を対象にしています。しかしB型は年齢制限は設けられていません。つまり65歳以上の高齢者でも勤務するチャンスはあるわけです。
利用期間についても違いが見られます。就労移行支援の場合、原則2年間を上限とします。一般企業への就職への移行のステップのため、有限とされています。
一方就労継続支援の場合、継続的に仕事をするのが目的です。このため、勤務する機関の制約は特別設けられていません。両者が合意すれば、ずっと同じ事業所で勤務を続けられます。
就労移行支援と就労継続支援では、そもそもの目的が異なります。前者は一般企業で就職するための前段階、後者は就労の機会そのものを与えることが目的です。どの制度を利用して就業を目指すか、これは障がい者の状況によって変わってくるでしょう。どの選択肢が自分たちにとってベストか、慎重に検討しましょう。